NSR250Rとは |三重県桑名市にあるNSR250専門のバイクショップ|DMR-JAPAN
NSR250Rとは
NSR250Rの魅力
NSR250Rはホンダのストリート2ストスポーツバイクの完成形とも終着点とも捉えられるバイクだと思います。
元々はRS250RW(スペンサーにより世界チャンピオンになったバイク)の構成をベースに市販レーサーRS250にする際に同時開発したNSR250R(MC16)より始まっています。 MC16はまだ粗がありNS250Rの設計思想も見えますが、ベースとしては完成も見えてきているバイクだとも思います。
しかし当時の好景気も後押ししてすぐにMC18(88年式)が開発され、このバイクがMVX250Fからの250㏄2サイクルエンジン的には89年式から部品構成が変わることもあり一応の完成形でした。 ところが進化は止まらずわずか1年で89年式に電子制御の進化や高剛性なスイングアームそれにSPモデルのみですが、前後サスペンションのアジャスタブル化など高性能化をしています。
そして究極になったといわれるMC21や規制のあおりを受け、ややですが牙が抜けてマイルドになりました。それが今に続く電子制御化の先取りとなるMC28となります。
このようにNSR250Rはホンダ2ストスポーツバイクの先端をわずか数年で駆け抜けたため各年式にそれぞれの魅力があるバイクとなり、今でもスポーツバイクファンだけではなくレースなど各競技でも支持されています。
NSR250R用語
NSR250Rは型式で大きくMC16、MC18、MC21、MC28の4種類に分けられるが、MC18のみ1988年式に対し1989年式の仕様変更が大きいため、市場ではこれを2つに分け、順に1〜5型と呼ばれることも多い。なお、歴代モデルすべて一貫して始動方法はキックスターターのみを採用し、セルスターターは装備されなかった。
MC16
NSR250RG(初代)
NSR250RG MC16
型式MC16。1986年にNS250Rのフルモデルチェンジ車として登場した。新設計の“目の字”断面をもつアルミニウム製ツイン・スパーフレームに、クランクケースリードバルブの水冷2ストローク90°V型2気筒エンジンを搭載し、競技専用車RS250Rをそのまま公道用にスケールダウンしたようなレーシーな姿をまとっていた。エンジンのクランクケースなど、一部部品には「HONDA RACING」の刻印が入り、競技用車両とパーツの設計を一にしている点も注目された。
MC18
NSR250RJ - RK(2代目)
1988年モデルカスタム車
1989年モデルカスタム車
型式MC18。1987年11月に発表され、翌年1月から発売された。このモデルからテールランプの意匠が丸目2灯となった。スピードリミッター無しの最後のモデル。なお、この1988年モデルは市販レーサーのRS250Rと同時開発された。このモデルは約1年間販売され、1989年式は1989年2月に発売された。
1988年式は、市販二輪車としては世界初となるコンピュータ制御のPGMキャブレター(PGMとはprogramedの略)を採用し、さらに点火系・排気デバイス(RCバルブ)・オイルポンプもコンピュータ制御される。またフレームはMC16の目の字断面から、その一部を面取りしたような五角形目の字断面フレームに変更された。さらにフロントブレーキのキャリパーは対向4ポットに、フロントフォークは径が41mmに拡大されるなど各部の強化が図られた。最高出力も仕様上はMC16と同じ45psであるが、出力を制限するリミッターの解除が極めて容易であったことも相まって競合する車種に対し圧倒的な速さを誇り、NSR250Rの評価を決定的なものとした。また、マグネシウム製ホイールを装備した上位グレードであるSPモデルが始めて設定されたのも1988年式からである(乾式クラッチは非装備)。
1989年式では、エンジンの出力特性を制御するコンピューターがPGM-IIへ、キャブレターがPGMキャブレターIIへ進化するなどし、最高出力・最大トルクの値は1988年式と変わらないものの、幾分フラットでマイルドな出力特性が与えられた。この年はFIMのレース規則が変更され、カウル前端をフロントタイヤの中心線よりも前方まで伸ばすことができるようになったが、公道モデルのNSR250Rもそれにあわせて形状が変更された。またこの年式から、SPモデルではマグネシウムホイールに加え乾式多板クラッチと、減衰力調整機構付サスペンション(前・後)が装備されるようになった。
MC18にはSPグレードとは別に、F3用キットパーツをあらかじめ組み込んだコンペティション用コンプリートマシンとしてHRCより少数が発売された「NSR250RK」が存在する(紛らわしいがHRCのKはキットパーツのKであり市販車の年式”89年モデル”をあらわすNSR250RKとは別)。 これはNSR250RSPをベースに、専用の補強入りフレームや専用の車高調整機構付きサスペンション、多数の変更が加えられたエンジンや電装を装備したTT-F3専用車両であり、SPとはまったくの別物と言ってよい。エンジン部品で専用なのはクランクケースのみだが、純正と同じ金型から生み出されながら、ほぼ全ての部品が同年式の競技専用車であるRS250Rの部品と見まがうばかりに加工されたものであり、その動力性能はRS250Rに肉薄するほどである。 その価格差から細部のクオリティは見劣りするものの、そうして世に送り出されたRK達はサーキットを席巻し、GP250クラスと互角に近いタイムを叩き出し、4ストローク400ccの車両を打ちのめし続けた。 惜しむらくはRKが生み出されたわずか数年後にTT-F3クラスが廃止されてしまったことである。なお、この車両はスリックタイヤ対応のためホイールサイズもRS250Rと同等に変更されている(Frは可能だがRrに互換性はない)。専用キャブレターボックスと専用ダクトを装備し、PGMキャブレターは装備されていない。ACGは専用品の軽量ローターを使用するため公道用NSRと互換はない。
MC21
NSR250RL-RN(3代目)
NSR250R SE
MC21-SP仕様カスタム車
型式MC21。1990年2月登場の3代目モデルは大きな外観デザイン変更を受けた。アッパーカウル形状はスラントノーズで、小さく特徴的だったヘッドライトはスマートな薄型幅広形状の2灯ハロゲンヘッドライトに変更された。リアシートカウルは上方へ跳ね上がり、クラウチングスタイルとなる。
もっとも大きな外観上の変更点は、スイングアームへの“ガルアーム”の採用である。「ガルアーム」とは、V型2気筒エンジンの後方シリンダーから延びる排気用チャンバー形状の高効率化を目的として、右側スイングアームと前方シリンダーの排気チャンバーが干渉しないよう、スイングアームを「への字」に屈曲させたもの。ホンダワークスレーサーでは'89年のNSR500から採用された技術である。
また、エンジンはシリンダー、シリンダーヘッド、クランクケース、クランクシャフト等の主要部品が新設計され、出力特性を制御するコンピューターもPGM-IIIに進化し、扱いやすさを兼ね備えた出力特性が与えられた。
このMC21では1990年4月にSPが発売され、1991年5月にSPとSTDモデルの中間に位置するSEが発売された。1992年1月にMC21後期型とSE、SPが発売。
また、MC21はジムカーナライダーの中でも特に戦闘力の高い車両とされており、大会になると上位陣の大半(現在はかなり減ったが、それでもまだ多い)がNSR250Rで占められるなど猛威を振るっている。
なお、MC21までが45馬力、MC28はオートバイメーカー4社の自主規制により40馬力になっている。
STD(スタンダード仕様)
SE(SPベースだが一般公道向きのSTDと同じミッションで乾式多板クラッチや前後サスペンションに減衰力調整機構を装備)
SP(前後マグネシウムホイールを装備。ロスマンズやHRCなどのワークスカラーを採用)
の3グレードがあった。
MC28
NSR250R-RT(4代目)
MC28-SP仕様カスタム車その1
MC28-SP仕様カスタム車その2
MC28最終型。1993年に登場したモデルで、NSR250Rとしては最終モデルになる。外観上最大の変更点は、MC21で採用された「ガルアーム」が、片持式スイングアームである「プロアーム」になった点であるが、これは耐久レーサーRVFからのフィードバックである(WGPマシンはアームの向きが逆でチェーンラインも逆になる)。同時にヤマハがガルアームのパテントを持っていたが、その使用猶予が継続生産モデルかつ1993年いっぱいに限られたため、という事情もある。(同様にRGV-Γはチャンバー干渉部分を抉った形のストレート形状に変更されている)ガルアームのパテント またチャンバーの入り口を絞ることにより40馬力にパワーダウンされているが、 社外品のチャンバーに交換することにより本来のパワーにすることが可能である。 エンジンマネージメントシステムはPGM-IVに進化。ハンドルロックの解除やエンジンを始動する際に使用するキーは、PGMメモリーカードと呼ばれるカードキーとなり、通常の公道用PGMメモリカードの他に、競技専用のPGMメモリカードを使用することでエンジンの特性を簡単に変更することができた。 またこのモデルからヘッドライトが常時点灯型となった。
主な新機能として、
片持ち式リンク式スイングアーム、プロアームの採用。
2輪車初のカードキー(PGMメモリーカード)採用。
液晶デジタル表示のスピードメーターに変更。
ハザードランプスイッチ装備。
ポジションランプ内蔵型ウインカーを採用。
グレードは
STD(スタンダード仕様)
SE(乾式多板クラッチや前後サスペンションに減衰力調整機構を装備)
SP(SEをベースに、マグテックホイール(エンケイ製のマグネシウム合金を使用した廉価な軽量ホイール)・フロントサスペンションは、路面追従性に優れたニュー・カートリッジタイプを装備(工具なしで減衰調整可能)ロスマンズやHRC、レプソルホンダなどのワークスカラーを採用
の3つがあった。
作業動画
NSR250R 油面調整用 フロートレベルゲージ
専用設計で作りました。MC21のTAキャブ用とMC28のTBキャブ用です。TA用はNS250とNS400にも使用できます。
NSR250R 実油面点検(オーバーフロー点検)
MC28用キャブです。左右振って傾けても油面が上がりませんでしたのでオーバーフローの心配は有りません。
オイルポンプのチェックバルブ検査 NSR250R
保持時の負圧が弱いと吐出量が増加気味になり、保持がされず直ぐに抜けてしまうと、密封力が弱いのでエンジン停止時にオイルが漏れだすトラブルに繋がります。
NSR250R スロットルポジションセンサー
作動不良の物を洗浄して良品にしたものです。
作業の流れ
ベアリング交換
1
メイン側のミッションベアリング圧入作業です
専用で製作したオリジナルインストーラーを使い、
無理なく圧入作業をします。
コマにはベアリングを内蔵しておりますので、
並行を保ちつつ確実に圧入をします。
ケーズは事前にまんべんなく温めて置き、
ハウジングへの摩擦ダメージを軽減しております。
2
カウンター側のミッションベアリングの圧入作業です。
専用で製作したオリジナルインストーラーを使い、
無理なく圧入作業をします
ボルトを固定してナットを締めて、ベアリング側のコマを真っすぐ平行を保ち引き上げます。
ケーズは事前にまんべんなく温めて置き、
ハウジングへの摩擦ダメージを軽減しております。
3
シフトスピンドルペアリングの交換作業です。
DMRオリジナルツール1つで脱着可能です。
ボルトを固定してナットを締めて、ベアリングを圧入します。
ベアリングを抜き時はひっくり返して使い、
ベアリングを引き抜きます。
4
クラッチレバー部のニードルベアリングを圧入します。
試行錯誤で研究したオリジナルツールです。
下のベアリングを抜きます。
上のベアリングを抜きます。
圧入する位置が決まってますので、
ツールのドン付きで位置が決まるように工夫しております。 手前側も圧入して完了です。
5
キャブレターバルブシートの交換作業です
バルブシート奥にはガソリンの酸化物が蓄積しています。
洗浄剤で綺麗に除去をして、ガソリンの酸化の連鎖反応を抑止します。
綺麗になりました。
専用の圧入軸でバルブシートを正確精密に圧入します。
6
圧入されてるスタータージェットを取り外すとこのように酸化物が蓄積されてます
スタータージェットの中にも沢山蓄積してます。
洗浄剤で溶解させて綺麗にしていきます。
こちらはMC28の二ードルケースですが、取り外して洗浄後に磨き上げます。
スロットルポジションセンサー内部を洗浄するための穴あけ加工です
洗浄剤を入れると汚れがぶくぶく出てきます。
予期せぬトラブルを防ぐためにエッジ取りを行います。
超音波洗浄機でブラストの粉を綺麗に洗浄してから組画げます。